鍋ダイエットは本当に効果があるのか?

まずは、鍋がダイエットに効果があるとされる理由と注意点を解説します。
鍋がダイエットに向いている理由
鍋料理を作るときには、野菜はもちろん、肉や魚の動物性たんぱく質や豆腐などの植物性たんぱく質まで、栄養素が豊富な具材を使います。一度の食事でたくさんの食材を食べられるので、満足感を感じやすい点がダイエット向きだといえるでしょう。
鍋は、さまざまな栄養素をバランスよくとれるうえに、具材にごはんや麺類を控えれば糖質を抑えられるのもうれしいポイントです。さらに、熱々の鍋料理を食べると体を芯から温めてくれるため、代謝アップの効果も期待できます。
カロリーの高い鍋は逆効果なので注意
ただし、鍋ならなんでもダイエット向きだと考えてはいけません。砂糖をたっぷり使うすき焼きや、濃厚なスープにラー油やごま油を加える坦々鍋など、カロリーが高い鍋には注意が必要です。
近頃はスーパーで気軽に買えるパウチ入りの鍋スープを見かけることが増えました。手軽に鍋を作れるのはメリットですが、市販の鍋スープには食品添加物や化学調味料が多く含まれているため、使用を控えたほうが良いでしょう。
また、スープがおいしいからと飲みすぎるのもNGです。塩分のとりすぎはむくみや肌荒れを引き起こすことがあるため、少し飲む程度に留めておきましょう。


効果的な鍋ダイエットの方法を紹介

続いては、鍋ダイエットの効果を高めるポイントを5つ紹介します。
夕食を鍋にする
鍋を食べるなら夕食にしましょう。夕食を食べたあとは運動量が少なく、寝るだけで活動量も多くないため、夕食をヘルシーなもので済ませることでダイエット効果が期待できます。
また、過度な食事制限をするダイエットはストレスを感じやすいものです。しかし鍋は豊富な具材のおかげで満足感を得やすく、無理なくダイエットを続けたい人にもおすすめです。
ただし、夕食を鍋にするからといって、朝食、昼食ともに偏った食事をするのはNGです。3食ともに栄養バランスのとれた食事を心がけることを忘れないでください。
食べ過ぎに注意する
ダイエット効果を期待して鍋を食べるときは、基本的に〆のごはんや麺類は避けましょう。糖質のとりすぎは、ダイエットの天敵です。
どうしても〆を食べたいときは、豆腐麵やこんにゃく麵など糖質オフがうたわれている食材で代用してみてはいかがでしょうか。麺を食べている感覚はそのまま、糖質の摂取量を減らせるので、ダイエットの成功に一歩近づけます。
ヘルシーな食材を選ぶ
たくさんの具材を組み合わせて楽しめる鍋ですが、高カロリーの食材ばかり選んでいてはかえって、太りやすくなってしまいます。本気でダイエットを成功させたいなら、ヘルシーな食材を選ぶことを心がけましょう。
たとえば、肉類は脂質が少なめの鶏肉を選ぶのがおすすめです。なお、皮は高カロリーな部位なので取り除いてから鍋に加えるようにしましょう。春雨も炭水化物なので、しらたきで代用するとよりダイエット向きの鍋料理を作れます。
ヘルシー食材といえば、食物繊維が豊富で低カロリーのきのこ類が思い浮かびますが、中でも積極的に取り入れたいのが、舞茸です。舞茸には脂質の排出を促し、血糖値の上昇を抑える効果が期待できる『MXフラクション』という成分が含まれています。
また、トウガラシに含まれるカプサイシンには体を温める効果と発汗作用があるとされ、代謝アップやカロリー消費のお手伝いをしてくれます。
スープの味付けはシンプルにする
鍋ダイエットをする際は、スープの味つけをシンプルにするのがポイントです。味が濃いスープだとつい飲みすぎてしまったり、食材がスープを吸って高カロリーになったりしてしまいます。
また、スープを飲み干すのは塩分のとり過ぎにつながるため、避けてください。シンプルな味わいのスープにすれば、タレを使わなくてもおいしく味わえます。タレを使う場合は、ヘルシーなポン酢などを選ぶと良いでしょう。
数日だけではなく継続してやる
ダイエットは、1日や2日で成功するものではありません。確実に効果を出したいなら、継続することがなによりも大切です。
仮に1日の置き換えで体重が減ったとしても、それは誤差の範囲と認識しましょう。1週間、2週間と夕食に鍋を食べる習慣をつけることで体を鍋料理に慣れさせていき、長い目で見て目標体重までダイエットを続けるよう心がけてください。


鍋ダイエットにおすすめの鍋レシピ5選

ここまでのポイントを踏まえて、ダイエットにおすすめの鍋レシピを5つ紹介します。どれも身近な食材で作れる鍋ばかりなので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
シンプルな鶏と豆腐の寄せ鍋
メインには鶏肉と豆腐、ねぎやもやしなどお好みの野菜も用意します。少量の酒を加えた水で煮込めば、シンプルかつヘルシーな寄せ鍋の完成です。
少ない材料で手軽に作れるので、「鍋料理が食べたい」と思い立った日の夕食にいかがでしょうか。つけダレには、さっぱり食べられるポン酢がおすすめです。すりごまや一味唐辛子を味変に加えれば、最後まで飽きることなく完食できます。
白菜と豚肉の梅肉ミルフィーユ鍋
はがした白菜と豚肉を交互に重ね、3~4回繰り返したら5cmほどの幅に切り、断面が見えるよう鍋に敷き詰めます。水を注ぎ、だしの素と薄口しょうゆを少量ずつ加えて煮込めば完成です。
肉を選ぶ際は、豚バラ肉だとややこってりした仕上がりになるため、ヘルシーにしたいときは豚ロースを使用するか、もしくは鶏肉を使ってもおいしいでしょう。梅肉を叩いたものを薬味として添え、しょうゆとみりんを合わせたタレに入れるとさっぱり食べられます。
美肌効果も期待できるレモン鍋
具材には豚肉と、白菜や大根、ニラにきのこ類などのたっぷり野菜を用意します。鍋に具材を入れたら水を浸るくらい注ぎ、輪切りにしたレモン1個分と大さじ2の白だしで軽く味つけをしましょう。
レモンには抗酸化作用があるとされるビタミンCが豊富なので、ダイエットと同時に美肌効果も期待できます。
鶏肉ときのこのトマト鍋
脂質控えめなのに満足感のある鶏肉と、ヘルシー食材のきのこ、そしてトマトを煮込んだ洋風鍋はいかがでしょうか。変わり種の鍋はダイエットの気分転換にもなります。
こちらも作り方は簡単で、鶏むね肉とお好みのきのこ類、クシ型に切ったトマトと玉ねぎを鍋に入れて水で煮込み、仕上げにみそをとくだけです。
トマトに含まれる栄養素のリコピンには血行促進作用があるとされ、代謝アップも期待できるので、ダイエットのときには積極的に食べましょう。
カプサイシン豊富なキムチ鍋
キムチに使われているトウガラシには、発汗作用があるといわれるカプサイシンが豊富に含まれます。水150mlに対して白だし小さじ2、鶏ガラスープの素小さじ1/2を加えたら、お好みの量のキムチを加えてだしを作りましょう。
もっと辛味がほしいときはコチュジャンや豆板醤を加えることで調整できます。白菜やもやし、ねぎ、ニラにきのこ類など、どんな具材とも合いますし、植物性たんぱく質がとれる油揚げや豆腐をメイン食材にするのもおすすめです。


まとめ
無理に食事量を減らしたり、特定の食材ばかり食べたりするダイエットはストレスが溜まりやすく、リバウンドの可能性も高まります。鍋ダイエットなら味つけのバリエーションがあるので飽きにくく、種類豊富な食材をとれることから、栄養バランスを整えやすいのがメリットです。
今回紹介したポイントを踏まえながら、レシピを参考にして鍋ダイエットに挑戦されてみてはいかがでしょうか。シンプルな味つけでヘルシーな食材を選ぶことさえ守れば、オリジナルの鍋づくりも楽しめることでしょう。