ダイエットが冷え性の原因になることがあるの?

ダイエットを進めていくうちに、冷え性になってしまうことがあります。筋肉をつけると体温が上がるといわれているにも関わらず、ダイエットではなぜ冷え性になってしまうのでしょうか。
ここからは、ダイエットをしているうちに冷え性になってしまう原因や、冷え性につながるダイエットのやり方について紹介します。
筋肉が落ちてしまったケース
ダイエットで筋肉が落ちてしまうと、体温を上げることができなくなって冷え性になることがあります。
とくに、筋トレなどの運動を行わず、食事制限だけで痩せようとした場合に多い傾向です。
食事を過度に制限してしまうと筋肉の生成に必要な栄養が足りず、脂肪だけでなく筋肉の分解が進んでしまいます。
また、筋トレを行っていてもたんぱく質の摂取不足になっているときも、筋肉の分解が合成を上回ってしまい、筋トレの効果をうまく引き出せません。
つまり、ダイエット中の筋肉量減少こそ、冷えにつながる痩せ方であるといえるでしょう。
必要なエネルギー源が摂取できていないケース
ダイエットのために糖質をまったく摂らないような極端な食事制限を行っていると、冷え性になる場合もあるため注意が必要です。
人のエネルギー消費は、生命維持にかかる基礎代謝が約70%、日常生活などの運動消費が約20%、食事誘発性熱産生が約10%といわれています。
食事誘発性熱産生(DIT(Diet Induced Thermogenesis))は、食べ物を消化・分解して吸収する際に発生する熱のことで、体温を保つ役割を担う重要な働きのひとつです。
食事の摂取を過度に制限していると、この食事誘発性熱産生がうまく機能しなくなって体温が維持できず、冷え性になっている可能性があります。
また、エネルギー源の摂取不足だけでなく、ビタミン不足による血行不良で体温維持ができなくなっているケースも少なくありません。
そのため、ダイエットを行う際には、食べすぎを避けつつ必要な栄養は摂取できるように、食事を見直すことが冷え性を防ぐうえでも重要になります。


冷え性になるとダイエット効率が低下することも

ダイエットによって冷え性になる場合もあれば、冷え性によってダイエット効率が低下する原因になることがあります。
「一生懸命ダイエットをしているのになかなか痩せない」という場合、冷え性が原因になっていないか疑ってみましょう。
ここからは、冷え性がダイエット効率にどのような影響を与えるのか、ダイエット効率が下がる理由について紹介します。
筋肉量や血流環境の低下
過度な食事制限など、筋肉量が低下するような方法でダイエットを行って冷え性になると、筋肉が落ちたことでエネルギー消費が鈍化するため痩せにくくなります。
また、ビタミン不足による血行不良も代謝の低下につながるため、ダイエット効率が下がる原因のひとつです。
食事をきちんと摂取していなければ筋トレをしても効果が表れにくく、かえって筋肉量が減ってしまう可能性もあります。
冷えは筋肉量や食事のエネルギー消費と密接な関わりがあるため、ダイエットを行う際には体温を上げる工夫も意識して取り入れましょう。
体温の低下
体温の低下は基礎代謝を下げることにつながり、エネルギー消費量が減少してダイエット効率が下がる原因になります。
体温が1度上がると基礎代謝が約15%程度アップするといわれており、冷え性になって体温が低下すれば基礎代謝ダウンにつながりかねません。
また、基礎代謝は消費エネルギー全体の約70%を占めているため、ダイエットの効果を引き出すためには、体温を上げて基礎代謝を上げることが成功への近道だといえるでしょう。


冷え性の人がダイエットを成功させるための4つのポイント

前述のとおり、体温とエネルギー消費には密接な関わりがあり、冷え性を改善させて体温をアップさせることがダイエットの成功を左右する重要なポイントになります。
では、具体的にどのようにすれば冷え性を改善することができるのでしょうか。ここからは、冷え性改善に役立つ4つのポイントについて紹介します。
食事や飲み物に注意する
食事や飲み物に注意して、体を温める食べ物や飲み物を摂取するように意識することが、冷え性改善のために重要なポイントのひとつです。
冷たい飲み物や食べ物は、内臓が冷えて消化機能の低下や便秘につながり、ダイエット効果を下げる恐れがあります。
体を温めるためには、しょうがや唐辛子、根菜類、赤身の肉や魚などが良いとされており、スープなど温かいまま摂取できるようなメニューがおすすめです。
食事誘発性熱産生の観点で見ると、とくにたんぱく質を多く含むものを摂取したときの方が、熱産生に消費するエネルギーがアップするといわれています。
このことから体温アップとエネルギー消費アップ両面からみても、食事内容の見直しが重要になるといえるのではないでしょうか。
過度な糖質制限は避け、エネルギーとして必要な栄養はしっかりと摂取することを心がけましょう。
筋肉をつけて基礎代謝をアップさせる
筋肉量が増加すると、基礎代謝がアップしてエネルギー消費量も増えるため、体温アップやダイエット効果を引き出すうえで欠かせません。
また、運動して体を動かすことで筋肉がポンプの役割になり、血流改善にも役立ちます。
ただし、普段運動不足な人が急に強い負荷で筋トレを行っても継続することが難しいうえに、怪我をする可能性があるので注意が必要です。
筋トレを継続することが苦手な方や筋トレで体がつらいときは、マッサージやストレッチで血流を促進するのも良いでしょう。
温かいお風呂につかる
温かいお風呂につかって、体をしっかりと温めるのも冷え性改善に有効な手段のひとつです。
入浴をシャワーだけで済ませず、10分~15分程度を目安に湯船につかる習慣をつけましょう。
入浴中は体温が上がって血管が広がって血流が良くなっているため、湯船につかりながらマッサージを併用するのもおすすめです。
自分の好きな入浴剤を入れたり、アロマオイルなどを使用したりして、入浴時間を楽しみながら体温アップを図ってみてはいかがでしょうか。
エステで適切なダイエット法や食事のアドバイスをもらう
自分に合ったダイエット法や冷え性を改善する方法などがわからない場合には、エステでプロに相談してみるのもおすすめです。
ダイエット向けの施術を受けて代謝アップにつなげるほか、リラックスできるのでダイエットを継続するご褒美として活用することもできます。
施術を受けながら食事の内容や冷え症が気になることを伝えて、自分に合う方法についてアドバイスしてもらうと良いでしょう。


まとめ
ダイエットと冷え性は密接な関わりがあり、とくに筋肉量を増やすことは冷え性改善にもダイエットにも欠かせません。
筋肉を効率良く増やすためには、筋肉のもとになるたんぱく質を積極的に食事に取り入れるなど、トレーニングだけでなく食事にも気をつける必要があります。
筋トレがつらければまずはマッサージやストレッチからはじめてみるなど、自分にできる範囲のことから取り入れてみてはいかがでしょうか。