コンビニダイエットが注目されるのはなぜ?

ダイエットでは、1日の摂取カロリーが消費カロリーを下回るようにしなければいけません。運動で消費カロリーを減らす方法もありますが、食事を制限して摂取カロリーを減らすほうが簡単です。
消費カロリーは、日本医師会によると「基礎代謝量×身体活動レベル」で求められます。基礎代謝量は、あらかじめ年代別に体重1kgあたりの基礎代謝基準値が設定されており、それに体重を掛け合わせたものです。
例えば、30歳から49歳の女性は基礎代謝基準値が21.7なので、仮に体重が50kgあると、1日の基礎代謝量は1,085kcalとなります。
この数値に身体活動レベルを掛け合わせたのが、1日の消費カロリーです。身体活動レベルは3段階に分かれており、30歳から49歳の女性はレベルI(低い)なら1.5、レベルII(ふつう)なら1.75、レベルIII(高い)なら2.0です。
先ほどの女性の身体活動レベルがIなら、1日の消費カロリーは1,627.5kcalとなります。
問題は摂取カロリーです。自炊していると、食材ごとに使った量に応じて計算しなければいけません。1回ならともかく、毎食となると面倒です。外食ではカロリーを表示しているところがチェーン店を中心に増えていますが、個人で経営している飲食店など、非表示のところも少なくありません。
その点、コンビニであれば弁当やパン類をはじめ、ほとんどの食品でカロリーが表示されています。塩分(ナトリウム)やタンパク質、脂質、糖質(炭水化物)を表示している食品もあるので、健康に気を遣っている人にとっても便利です。カロリーを計算しながらメニューを組み立てられます。
また、コンビニで扱っている食品は1人分が中心なので、つい食べ過ぎてしまう心配がありません。種類も豊富ですから、日替わりでバリエーション豊かなメニューを組み立てられます。
上手に活用すれば、長期間にわたって摂取カロリーを減らせるでしょう。
ダイエット中のコンビニ食品 選び方

では、コンビニの食品でダイエットするのであれば、何を選べばいいのでしょうか。
糖質制限ダイエットの基本
私たちの体は、糖質を摂り過ぎると脂肪に変えて蓄える性質があります。逆にエネルギーを消費するときは、糖質から先に使われるため、脂肪まではなかなか使われません。さらに、脂肪は少量で大量のエネルギーを生み出すため、ゆっくり減ります。
つまり、糖質を制限すれば脂肪として蓄えづらくなり、エネルギーを消費するときも脂肪が先に使われやすくなるわけです。元々は肥満や糖尿病の患者向けに考案されたメソッドでした。
ただし、糖質を制限し過ぎると、他の栄養素で代替することになるため、タンパク質や脂質を摂り過ぎる傾向があります。また、糖質は脳にとって唯一の栄養です。
厚生労働省では、栄養のバランスとして、炭水化物(糖質)が50~65%、タンパク質が13~20%、脂質が20~30%になるよう推奨しています。ダイエットで糖質を制限するにしても心持ち控える程度にするのが無難です。
メニューを組み立てるときは、これらの栄養素に加えてビタミンやミネラル類、食物繊維も摂れるように意識します。
弁当やパスタ類は避けたほうが良いでしょう。カロリーが高く、栄養バランスも偏っているからです。糖質や脂質を摂り過ぎて、逆にビタミンやミネラル類、食物繊維が不足します。各栄養素ごとに一品ずつ選ぶのが理想です。
空腹感を満たしたいのであれば、スープを取り入れると良いでしょう。腹持ちが良くなり、体も温まります。おでんなら、具だくさんで野菜が豊富です。
おにぎりを食べたいときの献立例
おにぎりは1食につき、1個までにします。カロリーは200kcal前後です。比較的カロリーが低いのは梅で、鮭ならタンパク質も一緒に摂れます。最近は食物繊維が豊富なもち麦入りのおにぎりもあるので、必要に応じてチョイスしましょう。逆に避けたほうが良いのはツナマヨなど、具材に油を使っているおにぎりです。
サイドメニューとして、サラダなどの野菜料理を一品、焼き鳥や焼き魚などのタンパク質料理を一品ずつプラスします。油で揚げた総菜はNGです。野菜料理でもカボチャの煮つけのように糖質が多いものは控えます。
麺を食べたいときの献立例
同じ量で比較した場合、カロリーが少ない麺は、うどんやそうめんです。そばもGI値が低く、血糖値の上昇が緩やかなので、ダイエット中の選択肢に入ります。
逆に避けたいのはパスタやインスタントラーメンです。麺だけでなくソースやスープも高カロリーであるため、ダイエットには向いていません。
また、麺の代わりに春雨を選ぶ人もいますが、これもうどんやそばに比べて2~3倍ほどのカロリーがあります。ダイエット中は控えたほうが良いでしょう。
麺類が決まったら、ゆで卵などでタンパク質、冷凍ブロッコリーやホウレンソウなどで野菜をプラスします。
パンを食べたいときの献立例
ダイエット中は、パンよりもご飯を食べるほうがおすすめです。パンには糖質のほかに脂質が含まれており、一緒に食べるものも脂質が多かったり、味付けが濃かったりします。
けれどもパン好きな人にとって、我慢してまでダイエットしても長続きしません。子どもの頃からずっとパン食という人もいるでしょう。そこで食べるパンを厳選することでダイエットの妨げになるのを防ぎます。
まず、菓子パンはNGです。ジャムや餡、クリーム、チョコを塗ったり、挟んだりしたものは、おにぎり1個のカロリーをはるかに上回ります。それでいて腹持ちも良くないのが難点です。
惣菜パンでは、揚げ物やソーセージ・ハンバーグなどの加工食品を挟んでいるものを避けなければいけません。マヨネーズを使っているのも同様です。比較的カロリーが低い食パンを使ったサンドイッチにしたほうが良いでしょう。野菜やタンパク質も同時に摂れます。
最近ではバターやマーガリン、ショートニングの代わりに、不飽和脂肪酸の豊富なオイルを練りこんでカロリーを抑えているパンが増えています。ブラン(ふすま)を混ぜているパンなら食物繊維が豊富です。
これに、他のメニューと同様、野菜の食品とタンパク質の食品を組み合わせます。既に具材としてタンパク質が含まれていて、予算的に厳しいときは野菜ジュースをプラスしても良いでしょう。
コンビニおやつの選び方
ダイエット中は朝・昼・晩と3食しっかり摂る代わりに、間食は摂らないのが理想です。ただし、それぞれの食事の間隔が長いときは空腹に耐え切れず、ダイエットを挫折する恐れがあります。また、空腹の時間が長くなるほど、次に食事を摂ったとき血糖値が上がりやすくなるのが心配です。
そのため、適量であれば「おやつ」を食べても良いでしょう。ただし、チョコレートやクッキー、キャンディ、アイスクリーム、ジュースなど甘いものはカロリーが高いので、原則として食べてはいけません。
代わりにカロリーが低くて、必要な栄養素を摂れるものを選びます。例えばカットフルーツはビタミンやミネラルが豊富です。するめなどイカ系のおつまみはタンパク質を摂れます。ただし、食べ過ぎると前者は糖質、後者は塩分が過剰になるため、少量で済ませるようにしましょう。
他にも、コンビニによっては糖類の代わりに人工甘味料を使った寒天ゼリーもあります。それなりに食感もあって、腹持ちも良いのがメリットです。また、一口わかめや昆布、梅など、素材にあまり手を加えていないお菓子もダイエットのお供になります。
ナッツ類はビタミンやミネラルが豊富で、噛み応えもありますが、脂質が多いので摂り過ぎには注意です。1回分ずつ包装されたタイプなら、食べ過ぎる心配は無いでしょう。
ダイエットランチにおすすめのコンビ二食

続いて、大手コンビニで扱っているダイエット向けの食品を紹介します。
セブンイレブン
セブンイレブンでは「セブンプレミアム」というブランドで、メーカーと共同開発した商品を安く提供しています。スーパーで買うのと、それほど価格が変わらないのがうれしいところです。メーカーも有名どころが揃っています。
その中でダイエットにおすすめしたいのが「サラダチキン」です。皮を除いた鶏むね肉に下味をつけて加熱したもので、しっとりとした手で裂ける柔らかさで食べやすくなっています。しかもカロリーは1パック100~120kcal程度です。
味付けはプレーンの他にハーブやシトラスレモンなどがあります。また、あらかじめほぐしてあったり、スティック状になっていたりするなど、食べ方に合わせたバリエーションも豊富です。最近ではチキンの代わりに魚を使った「サラダサーモン」もあります(2019年10月現在)。
ローソン
ローソンでは、2012年から「ロカボ(低糖質)」の食品開発に取り組んでおり、該当する食品にはロカボマークが付いています。糖質を控えたいときに便利です。
たとえばブランパンは、1個あたりの糖質を2.2gに抑えています。さらにブランは食物繊維が豊富です。
他にも自社ブランドの「ローソンセレクト」でサラダチキンを扱っています。また、30年以上の歴史がある「からあげクン」も1個あたりの糖質が1.6gです。これに野菜のメニューを組み合わせれば、簡単に糖質を控えたメニューが完成します(2019年10月現在)。
ファミリーマート
ファミリーマートといえば、大盛りの弁当やパスタ類が充実しているため、ダイエットと無縁のイメージがあるかもしれません。けれども、健康を考えた食品も扱っています。
例えば、ライザップとタイアップした低糖質の食品です。サラダチキンはもちろん、麺類やスイーツもラインアップされています。
他にも、食物繊維を白米の40倍、消化されないレジスタントスターチを従来の4倍に増やした「スーパー大麦」を取り入れたおにぎりや弁当も魅力的です(2019年10月現在)。
まとめ
コンビニダイエットは、食品の種類なが豊富で、摂取カロリーを計算しやすく、1人分の量だけ買えるのがメリットです。上手に活用すれば、摂取カロリーを消費カロリーより少なくできるでしょう。最近はダイエット向けの食品も充実しています。
ただし、食事だけでダイエットするのは難しく、適度な運動も必要です。それでもうまくいかないときは、ミス・パリがサポートします。ぜひ、ご相談ください。
