水泳ダイエットに期待できる効果は?
水泳は体内の脂肪を燃焼したい人に向いているダイエット方法です。代表的な有酸素運動といえばウォーキングやジョギングなどですが、有酸素運動のなかでも水泳は運動強度が高いといわれています。
なぜなら、水中は浮力の作用によって動きやすく関節などへの負担がかかりにくいため、長時間運動がしやすいからです。長時間運動ができれば、それだけ多くの脂肪燃焼が期待できるでしょう。
また、水泳は運動強度を調整しやすい点からもダイエットに適しているといえます。泳ぐ距離を長くしたり短くしたり、泳ぐスピードに変化を与えることで簡単に運動強度を調整することができるからです。
水泳ダイエットに興味はあるも「泳ぐのが苦手」という人もいるでしょう。そのような人は、水中ウォーキングに取り組むのがおすすめです。水の抵抗を受けることで、陸上でのウォーキングよりも高いカロリー消費が期待できます。
運動不足が気になる人や不得意な人も水中ウォーキングだと気軽に取り組めるのではないでしょうか。
水泳で消費されるカロリーはどのくらい?
水泳は、消費カロリーから見るとトップクラスの有酸素運動です。具体的に、ほかの運動と比較してみましょう。
<1時間運動した場合の消費カロリーの目安>
・水泳(平泳ぎ):550~700 kcal前後
・水泳(クロール):1050~1350kcal前後
・軽めのジョギング:600kcal前後
・アップテンポのダンス:350 kcal前後
一見運動量が多そうな運動でも、比較するとどれも水泳より消費カロリーが低いことがわかります。もちろん、水泳ダイエットも泳ぎ方によって消費カロリーは異なるでしょう。しかし、運動が得意ではない方でもはじめやすいのに、消費カロリーが高いという効率の良さが人気の理由のひとつです。
水泳ダイエットのメリット
比較的、水泳ダイエットは準備にお金がかからず、はじめやすいのが魅力です。水着とキャップ、ゴーグルを用意すればできるので、気軽に取り組めます。ほかにも、以下のようなメリットがあります。
消費カロリーが高い
水泳は、水の抵抗を受けることで消費カロリーが大きくなるのがメリットです。ジョギングやウォーキングなどをするのと比べて、2~3倍のカロリー消費量が見込めます。
また、冷たい水に浸かることから、体は脂肪を燃焼させて熱を作り出そうとします。その結果、エネルギー消費が大きくなり、短期間で効率良くスリムアップできるのもメリットです。
全身を鍛えられる
水泳は全身運動です。全身の筋肉を使うので、バランス良くシェイプアップできます。
また、全身を鍛えることで心肺機能も高まり、基礎代謝の向上も期待できます。水の中に立つと、足先に多くの水圧がかかり、末端の血液が押し流されて心臓に戻るため血流が良くなるのです。その結果、代謝がアップし、痩せやすい体に近づけます。
体への負担が少ない
関節を痛めるリスクを減らせます。ほかにも、膝などを痛めているといった理由で運動制限を受けている人でも取り組みやすいです。浮力のおかげで陸上よりも動きやすく、ダイナミックな動きに挑戦できるのもメリットといえるでしょう。
水流を効果的に使える
さらに、水流を効果的に使った動きができるのも水泳ダイエットの特徴です。水流に逆らって動くことで負荷を高める、水流に合わせて少ない力で効率良く動く、といったこともできます。
水泳ダイエットのはじめ方
水泳ダイエットを成功させるには、継続することが大切です。週に2回、1回あたり30分から1時間を目安にプールに入りましょう。
有酸素運動をはじめてから20分を過ぎると体脂肪の分解が早まるといわれているため、1回あたり30分以上泳ぐのを目標にしましょう。
無理してたくさん泳ぐと、疲れてしまって続かなくなるかもしれません。一度にたくさん泳いで継続できなくなるよりは、少量を定期的に行うのがおすすめです。
いつも同じ泳ぎ方だと飽きてしまう人もいます。クロールや平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライなどいろんな泳法にチャレンジしてみて、楽しく続けましょう。
水泳ダイエットにおすすめのメニュー5選!
水泳が得意でない人、体力に自信がない人も水泳ダイエットに取り組むことはできます。おすすめのメニューを紹介しますので、自分ができるものから挑戦してみましょう。
1.水中ウォーキング
水泳初心者、また日頃運動の習慣がなく、体力に自信がない人におすすめなのが水中ウォーキングです。水のなかに入るのが怖い人、泳げない人、足腰に不安がある人でも気軽に取り組めるメニューでもあります。
水のなかを歩くだけという簡単な動作ではあるものの、股関節やふくらはぎ、肩甲骨の筋肉強化ができるのがメリットです。
ポイントは、ゆっくりと大股で歩くこと。そして、効率的なカロリー消費や筋肉量アップのために、正しいフォームで行うことです。また、次に挙げるポイントも意識してみてください。
<水中ウォーキングのポイント>
・胸を張り、お腹を引き締める。
・体の中心(体幹)を意識する。
・前を向いて、腕をしっかり振る。
水中ウォーキングでは水の抵抗や水流などを感じながら、ゆっくりと歩きましょう。慣れてきた方は、体を少し左右にひねりながら歩くのもおすすめです。クロールなどの合間に、心拍数を落ち着かせる目的でウォーキングを取り入れるのも良いでしょう。
2.クロール
泳げる人や水泳中級者は、クロールに挑戦してみましょう。息継ぎが難しい場合は、ビート板を使うなどしてバタ足をするだけでもOKです。
次にあげるポイントを意識してみましょう。
<水中ウォーキングのポイント>
・一つひとつの呼吸を丁寧に行う。
・鼻から息を吐いて、口から吸う。
・肩から大きく腕を回して水をかく。
・足はふくらはぎだけでなく、太ももから大きく動かす。
水泳ダイエットの場合、タイムを意識する必要はありません。ゆっくりと、できるだけ長い時間泳ぐのがコツです。息継ぎがきちんとできる人は、肩を大きく回すのを意識して200mを目安に泳いでみましょう。
3.平泳ぎ
一見簡単そうに見えるものの、実は平泳ぎも中級者向きです。クロールと比べると運動強度はやや低いですが、足で水を力強く蹴るにはコツがいるため、慣れるまではなかなか前に進まないこともあります。平泳ぎで意識したいポイントは次のとおりです。
<平泳ぎのポイント>
・水を蹴るときは力を入れ過ぎない
・息切れしない程度にゆっくりと泳ぐ
・股関節から膝、足首までの足全体を使う。
初心者のうちは思うように前に進まないかもしれませんが、できる範囲で水を蹴りましょう。平泳ぎをマスターしている人は、200~300mを目標に泳ぐのがおすすめです。
4.背泳ぎ
背泳ぎも中級者に適したメニューです。 ほかのメニューと比べると消費カロリーはやや低めとなっています。しかし、その分体力の消耗を抑えられるため、無理なく水中運動を続けられるでしょう。顔を水につけるのが苦手な方にもおすすめの泳ぎ方です。
背泳ぎでは、水の上で仰向けになった状態で、できるだけ体の力を抜くことが大切です。基本姿勢をマスターするために、以下のポイントを意識しましょう。
<背泳ぎのポイント>
・頭は耳に水が入る程度まで沈める。
・目線は真上を向く。
正しい姿勢をキープし、腕の動きを身に付けたら50~100mを目安に泳いでみましょう。
5.バタフライ
バタフライは、水泳が得意な上級者向けのメニューです。全身をダイナミックに動かすのでカロリー消費が大きく、高いダイエット効果が期待できます。
<バタフライのポイント>
・腹筋を意識して大きく足を動かす。
・足の動きと手の動きのタイミングを合わせる。
泳ぐ目安は50~100m程度がおすすめです。全身を大きく使うため長時間泳ぐのが難しい場合は、ほかの泳ぎ方と組み合わせながらチャレンジしてみましょう。
水泳ダイエットの効果を高めるには?
せっかく水泳ダイエットにトライするなら、より効率的に行いたいですよね。太りにくい体を目指すために、水泳に関することや日常生活で取り入れると良いポイントをご紹介します。
プールに入る前にストレッチをする
ストレッチで柔軟性を高めておくと、ケガ予防につながるほか、体を温めて各部位がスムーズに動くようサポートするのにも役立ちます。
プールに入る前は、ストレッチで全身をほぐしましょう。背中、胸、太もも、ふくらはぎなどの大きな筋肉をゆっくりと伸ばし、肩や股関節、足首などもしっかりとほぐしておきます。
しっかり全身を使って泳ぐ
水泳ダイエットは、ジョギングやウォーキングよりも消費カロリーが高いといわれていますが、それは全身をうまく使って泳いでいる場合に限ります。脂肪燃焼を高めるには、体幹を使った泳ぎ方が必要です。
水泳選手をはじめ、泳ぎが上手な方は一般的に動きがしなやかに見えますよね。なぜなら、全身をしっかり使い、手や足を動かすのと同時に、体の中心にも意識を向けているからです。
水泳ダイエットでは速さを追求するのではなく、ゆっくりと体を大きく動かすことを意識してみてください。
慣れたら強度を高めていく
正しいフォームが身に付き、泳ぎに慣れてきても同じメニューを続けていると、消費カロリーが減ってしまいます。エネルギーの燃焼量を上げていくためには、運動の強度が高まるよう泳ぎ方を変えていきましょう。
運動量の多い泳ぎ方を取り入れたり、泳ぐスピードを上げたりと、負荷を高める方法はいくつかあります。楽しく続けられる範囲で変化を取り入れてみましょう。
食事は消費カロリー以下に抑える
水泳はカロリー消費が大きく、泳いだ後は空腹感を覚えやすいです。しかし、食欲に任せて食べてしまうと、必要以上にカロリーを摂取してしまうおそれがあります。
もし水泳のあとに空腹を満たすなら、糖質を控え、たんぱく質中心の食事をするのがおすすめです。たんぱく質は筋肉を作るのに大切な栄養素なので、積極的に摂取して筋肉量アップを目指しましょう。筋肉量が上がると基礎代謝を向上させることにもつながります。
また、野菜多めの食事を意識し、野菜から食べるようにしましょう。
無酸素運動を取り入れる
ダイエット効果を高めるなら、筋肉量アップが見込める無酸素運動も並行して取り入れるのがおすすめです。筋肉が多い方ほど基礎代謝量が高く、消費カロリーも多いといわれています。無酸素運動で筋肉量が増えれば、太りにくい体を維持しやすくなるからです。
無酸素運動で脂肪燃焼に効率の良い体を作り、有酸素運動で脂肪を燃焼させるといった両方からのアプローチをしていきましょう。
水泳ダイエットをするときの注意点
水泳ダイエットから十分な効果を得るために、以下の点に注意しましょう。
無理な食事制限をしない
ダイエットをするなら、摂取カロリーを消費カロリーよりも低く抑える必要があります。しかし、無理な食事制限は禁物です。
食事を減らして一時的に体重を落とせても、健康を損ない、結果的に代謝が落ちて痩せにくい体になってしまうおそれがあります。また、タンパク質をはじめ、食事には運動時のパフォーマンスを上げる栄養素もたくさん含まれているため、しっかりと摂る必要があります。
脂っこいものや甘いものなどを取りすぎないように注意しながら、1日3食バランスの良い食事を摂ることを意識しましょう。
適度なペースを保ち無理をしない
ダイエットの成功に大切なのは継続することです。負荷が強すぎる、毎日必ず行う、といったような無理な計画は避けましょう。
運動の強度が高すぎると、長時間泳ぐことが難しくなり、脂肪燃焼の効果が下がってしまいます。無理なく継続するためには、泳ぎの熟練度や体力に合わせて行うのがおすすめです。もちろん、慣れてきたら運動強度を高めてさらに効率的なダイエットにチャレンジしても構いません。
また、水泳を行う日の健康状態や気分に合わせてメニューを変更しても良いでしょう。臨機応変に自分に合ったペースで行えるのが、水泳ダイエットのメリットのひとつです。
プール後の冷えに注意する
プールの水で体が冷え切ってしまうと、冷えから守るために体は脂肪を蓄えようとします。これを防ぐには、温水プールや水温管理がしっかりとなされたプールを選ぶことです。
また、プールで泳いだ後に体が冷えるのを防ぐために、以下のような対策を講じましょう。
・温かいシャワーを浴びる
・温かい飲み物を飲む
・帰宅後はお風呂に浸かる
まとめ
水のなかでは浮力の作用で動きやすいので、運動が苦手な人、体力に自信がない人でも、水泳ダイエットなら取り組みやすいといえます。まずは水中ウォーキングから気楽にはじめてみてはいかがでしょうか。
プールに行って泳ぐのが面倒、できるだけ楽にダイエットしたいという人は、エステを利用するのも手です。エステならプロの施術と食事指導で効率良くダイエットを進めていくことができます。